
作品を創っている人も、そうでない人も映像表現史に興味がある方なら誰でも受講可能。映像がどのように誕生して進化してきたのか、現在の映像表現はどういうものがあるのか、ハリウッド映画からアニメーションまで多数収録。アイデアを考える参考に頭の引き出しを増やしてみませんか ?
・受講期間 : | 2025年度 夏講座は2025/9/30迄 |
・受講形態 : | オンライン(動画教材の個人視聴による受講) ★ インターネットがあれば、ご自宅や外出先、移動中など、日本全国・海外のどこからでもご受講可能 ★ パソコン・スマートフォン・タブレット対応 |
・主な教材 : | 講義動画 全10本 ★【特典】映像表現史年表(森 公一 先生が長い年月をかけて制作)を資料としてプレゼント(お申込み手続き完了後に郵送) |
・レベル : | 入門・初級・中級・上級 |
・対象 : | 社会人・シニア・学生 |
・受講料 : | 33,000円(税込) |
・お申込み : | 下記フォームよりお申込みください。 |
・詳細 : | PDFをダウンロードする |
1895年、パリで世界で初めて上映されました。リュミエール兄妹が発明した映画装置「シネマトグラフ」による、およそ1分の映画作品でした。その後、映画が物語を表現するメディアへと進化しはじめます。この講義では、フランスのジョルジュ・メリエス、米国のエドウィン・ポーター、そしてD.W.グリフィスなど、映画創世記のキーパーソンたちによる表現を取り上げ、それぞれの作品のシーン分析を通して、映画表現の基本的な形式について理解を深めます。
映画の父と呼ばれる米国のD.W.グリフィスは、映画に固有の表現文法を確立したとこで知られています。この講義では、グリフィスによる作品を例として取り上げ、現代の映画へとつながる映画独自の表現形式について明らかにします。一つは映画脚本におけるプロットの構成について、シド・フィールドの三幕構成に基づいてグリフィス作品を分析します。もう一つは映画の各シーンを構成するショットについて、ロングショットやクローズアップなどのカメラワークの多様性に基づく表現の分析を行います。
1910年代から映画の制作が行われた米国ハリウッドは、サイレントからトーキーの時代を経て、第二次世界大戦前の1930年代には、世界の映画産業の中心として大いに繁栄しました。娯楽としての映画を量産し成功を遂げたハリウッドは、観客を容易に物語世界に没入させるために、コンティニュイティー(連続性)を意識した表現を重視しました。この講義では、このコンティニュイティーをめぐって、いくつかの作品例を示しながら、現代の娯楽映画やドラマへとつながる表現技法を紹介します。
1920年代のヨーロッパでは、古い価値観を疑い新しい可能性を模索する前衛的な芸術表現が各地で繰り広げられました。サイレント映画においても、娯楽産業としての成功を目指した米国のハリウッドとは異なる、芸術性・実験生あふれる表現や、強い政治的メッセージを含む表現が試みられました。この講義ではヨーロッパにおける前衛的表現に注目し、ドイツ「表現主義映画」フランス「印象主義映画」ソビエト「モンタージュ派映画」から代表的な作品をピックアップし、国ごと異なる独自の表現実験について概説します。
サイレント期の映画作品においてさえ、映画上映時にはピアノやオルガンによる伴奏がついていました。その後、映像と音が完全にシンクロする「トーキー」の技術が誕生します。「トーキー」によって、映画の魅力は飛躍的に向上したのです。1927年に公開された世界初のトーキー映画『ジャズシンガー』が大ヒットし、ハリウッドはさらに活況を呈しました。第5回の講義では、こうしたトーキーがもたらした革命と、その後に続くハリウッド黄金期の映画表現について、代表的な作品をとりあげて解説を行います。
1950年代の米国では、テレビの普及が急速に進み、映画産業は衰退しつつありました。反対に日本は世界でも有数の映画生産国へと飛躍的な進化を遂げつつありました。とりわけヴェネツィア映画祭やベルリン映画祭などにおいて日本映画の受賞が相次ぎ、その表現の独自性が海外からの注目を集めました。第6回講義では、1950年代に活躍しした映画監督の黒澤明、溝口健二、小津安二郎らの代表作を取り上げます。監督それぞれが、自らの美意識に忠実に、徹底して独自の表現を開拓することで、世界映画史上稀にみる表現が育まれました。世界からの賞賛とともに黄金期を迎えた日本映画の魅力について、各作品の形式上の特徴を中心に解説を行います
海外で「Anime」といえば日本生まれのアニメーション作品のことを指します。それは日本が世界屈指のアニメーション生産国として、人々を魅力する多くの表現を生み出してきた証だと言えます。日本が質の高いアニメーション作品を大量に生産する国へと成長した背景には、いったいどのような経緯があったのでしょう?第7回講義では、戦前の政岡憲三や瀬尾光世の活躍、1956年発足した東映動画、東映動画以降のキーパーソンである手塚治虫、高畑勲らの挑戦を軸に、日本がアニメ大国として飛躍する歴史的経緯について考察します。
世界のアニメーション表現といえば、ひとまずディズニーやピクサーなど、米国産の商業系アニメーション作品を思い浮べる人が多いでしょう。しかしより広くアニメーション表現の多様性に目を向け、アート系アニメーションの世界を視野にいれると、米国以外にも極めて豊かな表現の地平が広がっていることがわかります。第8回目の講義では、こうした観点から、旧ソビエト連邦(ロシア)、チェコ、ドイツ、フランス、イギリス、カナダの優れたアニメーション作品をピックアップし、各国の文化的背景が育んだ独自の表現に触れたいと思います。
私たちは映像を見る(観る)と言いますが、聞く(聴く)とは言いません。ゆえに映像は無意識のうちに視覚メディアとして位置づけられていることがわかります。しかし仮に映像に音がなければ、音楽やSE、役者の声などが聞こえなければ、極めて退屈なものとなります。映像に音は必須なのです。第9回講義では、映像と音楽の関係性について検討します。音楽を効果的に用いた映画(S.キューブリック作品)や音楽を前景化した映像表現(アブストラクト・アニメーション作品やミュージックビデオ作品)の際立った試みを紹介します。
1960年代、フィルム技術とは異なるビデオ技術による映像表現が誕生しました。韓国出身のアーティスト、ナムジュン・パイクが、テレビやビデオを前衛芸術の道具として活用したのです。最終回の講義では、こうした現代美術のフィールドにおける映像表現に視点を移します。ビデオアートの創始者パイクから始まり、パイク以降に活躍したビル・ヴィオラ、ゲイリー・ヒル、インゴ・ギュンターたちによる試み、とりわけ映像をインスタレーション空間として構成する試みに着目し、もうひとつの映像表現の可能性について検討します。
・映像表現、映像の誕生から現在までの歴史に興味がある方
・ハリウッド映画からアニメーションまで、様々な分野の映画鑑賞に興味がある方
・メディア関係の仕事や作品制作をしていて新しい知識や刺激、表現の引き出しを増やしたい方
Koichi MORI
メディアアーティスト
メディアアーティスト。成安造形大学教授を経て同志社女子大学教授。新しいテクノロジーを活用しながら、地球や生命を再発見するための多様なメディアアート作品を制作。これまでに、人の呼吸を光と音に変換する体験的作品《宇宙瞑想》や、移住を余儀なくされた人類が別の惑星で茶会を楽しむ映像作品《宇宙茶道》、鑑賞者の「快」を誘発する光や音を探る実験装置兼アート作品《光・音・脳》(京都国立近代美術館で発表)などを発表。また、企画・ディレクションしたインタラクティブ・コンテンツ《Cosmology of Kyoto》が世界でヒットしカンヌ等の国際会議に招待されるなど、常に新しい試みを行っている。
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